アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータを読みました。
私はこのアンティキテラの計算機の存在を大学時代に教授から聞いて知りました。
確か、アリストテレスの話の時に合わせて聞いた気がします。というのも、品質(Quality)に関する概念は、古代ギリシア哲学 アリストテレスにより考えられ始めたことが歴史上初、とされています。その話に合わせてこのアンティキテラの計算機の話も少し聞きました。共に古代ギリシャが共通ですしね。
のち、教授の退官時にもこの計算機の話が出てきて、頭に残っていたのでいつか読もうと積読していました。ちょっと、技術書から離れた小説を読みたくなって、ふと積読から掘り起こしたのでさっと読んでしまいました。
アンティキテラのコンピュータは、現在知られている中で最古のコンピュータです。2006年のNatureに正式に発表されたことで、その”最古”というものは確実なものになりました。そのアンティキテラのコンピュータに関する史実を、1901年にギリシャのアンティキテラの海底から引き上げられたところを契機に調査する人、歴史的な背景など含めて追っている本です。この本の原書が出版されたのが2008年くらいなので、そこからさらにこの計算機に関する調査が進んでいるかもしれませんが、2008年までの流れで止まります。
最終的にはこの歯車仕掛けのコンピュータが、いつ、何のために、誰によって作られたのかを、実際の調査結果をもとに結論付けていくという本筋なのですが、まだ解明されていない箇所もあるのですべての答えがあるわけではありません。一方、単なる史実の追いかけではなく、その結論の根拠になる数学的な説明や調査を行う上ででてくる技術に関しても大まかに触れているので、推理小説を読んでいるようにも感じます。
なお、この書籍におけるコンピュータとは、ドロン・スウェード氏の定義に従い、数字で答えが示される計測器を指しているそうです。
知識は巨大なジグソーパズルに似ている。誰かがピースを1個どこかに置くと、自分が置くべき場所もわかってくる。
デレグ・デ・ソーラ・プライス
紀元前の頃のギリシャには、後のルネサンス以降のような歯車仕掛けの機械を作る技術がすでに存在していた。争いでそれらが失われたが、それが暦としてレバノンへわたり、イスラムなどの中東で生きた。そして近代になるにつれてようやっと技術的にも復活してきた。そんな史実をみると、コンピュータに関わるものとしては純粋に面白さがありました。
- アンティキテラの機械から、その次に知られる最古の歯車付き器具まで、一千年以上時代の開きがある
- 太陽と月の関係。太陽を入力に、天球にある月の位置を示す。コンピュータープログラム。
- パーキンソンの法則、プライスの法則
- 放射線炭素年代測定法による調査
- 30個以上の歯車により作られた機械
- ライト、フリースによる機械系としては忠実に再現されてきた模型
- アルキメデスの影
SFや推理小説好きの人にはオススメな一冊です。あと、こういう書籍は直接技術には関係しませんが、こういう方面の人と会話する上では良い雑談のネタになるし、考えの視野が広がって面白いですね。
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